認知症の症状と段階から見た安心できる高齢者施設とは?
認知症という言葉が一般的になった昨今、認知症の発症が高齢者施設への入居を検討する「きっかけ」になったという方も増えています。
また、今は元気であっても平均寿命が年々伸びている現代、誰もが認知症を患う可能性がありますし、認知症を患ったまま看取りを迎えることもゼロではありません。
そこで今回は、誰もがなる可能性のある「認知症」に合った施設の特徴と、誰もが避けられない「看取り」の対応についてご紹介していきます。
1: 介護が必要になった原因
厚生労働省が行った2016年の大規模調査(国民生活基礎調査)によりますと、日本人の平均寿命は次のようになっています。
男性:80.98歳
女性:87.14歳
男性、女性、どちらも過去最高の平均寿命となっています。
そしてもう一つ気になる調査結果があります。
それは、介護を受けずに日常生活を送れる期間である「健康寿命」。
男性:72.14歳
女性:74.79歳
平均寿命と比べると約9年~12年の差があります。この差は、元気な人であっても亡くなるまでには少しの期間だけでも介護が必要になるということでしょう。
さらに2016年の大規模調査の結果を見てみると、介護が必要になった原因も発表されています。
おそらく平均寿命が伸びていることから、認知症を患う方が増えているのでしょう。そして認知症になると、進行具合にもよりますが介護が必要になることは、ほぼ間違いないと言えます。
2: 認知症の進行と症状を知ろう
認知症は進行によって症状が変わってきます。
(1)MCI
軽度認知障害(MCI)と呼ばれる「初期」の前段階があります。
このときは、もの忘れがあっても「あっ、忘れているな」という自覚があります。
しかし「健忘」とは違っているため、次のような症状が普段の生活に出てきます。
<中核症状>
- ついさっき(短期記憶)のことが思い出せない
- 趣味や日課への興味が薄くなる
<認知症にともなう行動・心理症状>
- イライラすることが増える
- うつ状態になることが増える
- 本人はわからないが、まわりの人からすると性格が変わったように感じることがある
(2)初期
MCIから進行すると、初期を迎えます。
もの忘れが増え、判断力も低下します。
そのため生活への影響が出始めます。
<中核症状>
- 短期記憶の障害が起こる
- 日付や時間がわからなくなる
- 日常的にやっていたことが難しくなる
<認知症にともなう行動・心理症状>
- 妄想がでる(財布を盗まれた!など)
- やる気の低下
- 憂鬱になる時間が増える
- 忘れていることを取り繕うことが増える
ご本人も、記憶があいまいなので混乱している状態です。
(3)中期
初期から症状が進行すると中期へ。
中期になると、昔の記憶も少しずつ薄れていきます。
一人でできることが減ってきますので、介護が必要なタイミングとなります。
<中核症状>
- 長期記憶にも障害が起こる
- 会話が難しくなる
- 相手の話がわからなくなる
- お風呂や着替えなどに介助が必要になる
- 外出すると迷うことが増える
<認知症にともなう行動・心理症状>
- 徘徊
- 言動が攻撃的
- 妄想
- 幻覚
体は健康であっても、一人では危ないことが増えていきます。
介助や介護が24時間必要なことも出てきます。
(4)後期
一人で暮らすことは、ほぼ無理な状態です。
会話が困難になるため、24時間介護が必要になるでしょう。
<中核症状>
- 自分のことがわからない
- 家族のことがわからない
- 会話が困難になる
- 介助や介護なしでは日常生活が困難になる
<認知症にともなう行動・心理症状>
まわりのことがわからなくなるため、認知症にともなう行動・心理症状は減少していきます。
どちらかというと「ぼーっと」して過ごすことが増え、寝たきりになられる方もいらっしゃいます。
3: 認知症には細かな対応が必要
このように認知症は、MCIの時期から後期へと症状が進行していきます。
そのため、先に起こる症状を見越した高齢者施設選びが重要になります。
まず認知症の方が入居を考えられるとき、一番に注目していただきたいとは「24時間介護」が可能なのかどうか。
次に、要支援や要介護の等級が進んでも退去しなくても良いのかどうかという点です。
選ぶ施設によっては、重症化すると対応できないため退去しないとならない場合もあります。
また、これはご家族にも知っておいていただきことですが、認知症に対しては決まった治療方法がありませんので個別の対応をすることが必要となります。
施設選びでは、一人ひとりに合わせた対応をしてもらえるのかもポイントになります。
また、施設のスタッフが「認知症だから」で済ますのではなく、じっくりとご本人の話を聞いて、親身になって対応してもらうことが理想的です。
認知症の方は、これまでの記憶をすべて失っているのではありません。
若い頃に時間をかけて身につけたようなことは、意外にササッとできてしまうものなのです。
その人が持っているこれまでの背景を知ることで、より快適な暮らしを続けることができるのです。
4: 考えておきたい「看取り」の対応
誰もが避けることができない「看取り」の瞬間。
入居を考えている高齢者施設では、どのような対応をしてもらえるのか理解しておくことが大切です。
多くの場合、突然亡くなられることはなく、体の機能が低下することで少しずつ免疫力などが低下し、病気に勝てず亡くなられるため、施設の条件によっては「住み替え」が必要になることもあります。
どのタイミングで住み替えが必要になるのか。
それとも最後まで同じところで看取れるのか。
いざというとき慌てないためにも、施設を利用するときに交わす契約書をしっかり確かめておきましょう。
5: まとめ
誰もがなる可能性のある「認知症」。
認知症が進行すると、介助や介護が24時間必要になります。
そんなことを考えると、在宅介護だけでは難しくなると思いますので、高齢者施設を検討することになるでしょう。
認知症の方が施設を選ぶときには、症状の進行に対して、どこまで対応可能なのかをまずは確認しておきましょう。
そして、看取りのことも同時に意識しておけば、その日を迎えるときに慌てることもなくなります。
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