介護で離職するリスクと対策ポイントを紹介
ご家族の介護が始まると、これまでの生活スタイルが一変します。
そして、もっと介護をきちんとしないといけない。
もっとうまく介護できるはずだ。
もっとできることがあるはずだ。
というように考え始めた結果、「離職」という道を選ぼうとされる方がいらっしゃいます。
そこで今回は、介護による離職を少しでも考えていらっしゃるあなたへ、介護離職するリスクと、離職しなくても介護できる方法についてお伝えしていきます。
1: 介護で離職するリスクを知ろう
介護が始まると慣れないことばかりで、思うように進みません。
そして仕事中でも介護のことが気になりますし、やらなければいけないことに追われて休日でもゆっくり過ごすことが難しくなります。
その結果、介護に専念するため「離職」という選択を考えられる方がいらっしゃいますが、大きな決断をする前に少しだけ待っていただきたいのです。
というのも、介護離職をすると次のようなリスクがあるからです。
(1)生活費はどうするのか
介護のために仕事を辞める。
確かに介護に専念できて良いかもしれません。
しかし、介護中の生活はどのようにして続けるのか考えていらっしゃるでしょうか。
いつまで続くかわからない介護中の生活に必要な資金が準備できていることはほとんどありません。
また、いまは退職金があるので良くても、2年後3年後の生活費をどう工面するのか計画があるでしょうか。
介護は大切なことですが、介護する側、される側が暮らしていくために必要な生活費は、とても大切なポイントです。
(2)介護が終わったらどうしますか?
介護は長く続くかもしれません。でも、いつかは終わります。
そして、介護が終わった後、仕事を辞めて介護に専念していたあなたは何をされますか。
年齢が上がればあがるほど、希望の職業に就くことは難しくなります。
何か特別なスキルがあれば話は別かもしれませんが、ほとんどの場合は希望の再就職は難しいはずです。
あなたのこれからの人生も考えておかないといけません。
(3)本当にできるのか
これまで人の世話を行った経験のある人なら、介護とはどれくらいハードなのか想像できることでしょう。
しかし、家事などをあまり積極的にやったことのない人だとすると、介護はかなりハードな状態になります。
というのも離職して介護に専念するということは、24時間365日介護の日々です。
まったく気を抜く時間がありません。
そして介護以外にも、自分の食事や洗濯もあります。
買い物にも出掛けないといけません。
月々の支払いの資金計画なども考える必要が出てきます。
本当にできるのかどうか、まずは離職する前に有給休暇を3日ほど取得して、24時間の介護を体験してみることがおすすめです。
(4)精神的に追いつめられる
離職して介護を続けると、要介護者と過ごす時間が長くなります。
また、何をもって終了ということがないので達成感があまり沸きませんし、自分の努力を誰かが評価してくれることもありません。
その結果、イライラが募り精神的に追いつめられる方もいらっしゃいます。
反対に、慣れない介護がうまくできず、自分を責め続けて精神的に追いつめられてしまう人もいます。
(5)人間関係が薄くなる
仕事がないと社会との関わりが薄くなります。
また、介護で家にいると他人と話す機会も減りますので、より人間関係が狭くなっていきがちです。
そして社会の中で孤立しているように感じ、個人的なつき合いも減り始めると視野が狭くなり、必要な情報すら得にくくなります。
2: 介護離職のリスク対策ポイント
介護離職のリスクがわかったところで、リスク対策のポイントを理解しておきましょう。
(1)介護のお金
介護に必要な費用が毎月どれくらいなのか試算することが大切です。
このとき、想定よりも介護が長期化した場合を考えておくと良いでしょう。
(2)自分の年金
サラリーマンなら厚生年金があります。
自営業者なら国民年金ですね。
もしあなたがサラリーマンなら、厚生年金がこの先どれくらい受け取れるのか試算しておくと安心できます。
同時に、厚生年金の受給対象となるだけの加入期間があるのかを調べておくことも大切です。
そして、もし介護離職した場合は、厚生年金から国民年金へ切り替える必要が出てきますので、そうした場合の試算や国民年金の掛金として支払うお金も試算しておきたいところです。
(3)雇用保険
介護離職された場合、雇用保険の受給手続きをされると思います。
このとき「介護のために働けない」という場合には、受給条件が変わってきますのでハローワークなどで確認しておくことが必要です。
(4)相続
介護はお金が必要です。
そのため介護が終わったときに家族がもめないために、相続について先に話しておきましょう。
「家族の遺産なのに介護で○○が勝手に使った!」
なんて話が出てくると、介護をしていた側もやりきれません。
私たち「シーガルケア」は介護施設のご案内も行っておりますが、同時に司法書士も連携していますので、相続に関する相談もお受けしております。
3: 離職せずに介護をする方法
離職せずに介護をする方法はあります。
そのためには3つのポイントを理解しておくと良いですね。
(1)情報
いまはスマホやパソコンで簡単に調べることができます。
市区町村の役所が発表する情報も閲覧することができます。
ですから、こういった情報ツールを使って、介護に関する情報を集めるようにしてください。
また、デジタルな情報だけではなく、地域の福祉窓口や地域包括支援センターなどに相談することで、これまでの経験から先を見越したアドバイスをもらえることもあります。
(2)人脈
介護をしていることをオープンにしておきたいですね。
仕事場でも近所でもオープンにしておくと、まわりも気を使ってくれます。
また、こちらからも頼みごとをしやすくなります。
介護は自分一人ではできません。
小さなことでも助けてくれる人を増やすのがポイントです。
(3)お金
介護をするためには体力や気力も必要ですが「お金」も必要です。
快適に介護を続けようと思うと、相応の費用が必要になります。
場合によっては、介護をスムーズに進めるため、プチリフォームが必要になるかもしれません。
これら3点が、離職せずに介護を続けるポイントとなります。
4: 介護保険の利用を忘れない
もうひとつ、介護ははじめていう方も多いのでお話しておきますと、介護のために離職する・しないに関係なく、介護保険の申請は必ず行っておきましょう。
市区町村の窓口へ相談にいくと、申請方法を教えてもらえます。
はじめての介護であわてていると、介護保険の申請が面倒に感じて後回しになりそうですが、最初に行うようにしておきたいですね。
5: 施設への入居も検討しましょう
離職せずに介護を続ける方法として、施設への入居という方法もあります。
自分だけでは動けない。認知症の症状が進んでいるということなら、介護をお願いできる施設へ入ることは、ご本人の健康と安全のためにも大変良い選択だと言えます。
施設への入居は、介護放棄ではありません。
介護される側、介護する側、それぞれに人生があります。
それぞれの人生をよりよく歩むために選んだ結果が施設というだけなのです。
6: まとめ
介護離職を考える際には、今回お話しましたリスクについてよく検討してください。
一時的に仕事を辞めて介護に専念するのは、一見最善の策と思われるかもしれませんが、介護が終わった後に残ったあなたの人生のことも考えてもらいたいのです。
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