介護老人保健施設やグループホームの選び方
介護が必要になった高齢者の方向けに、現在は多くの高齢者施設があります。
公的施設と民間施設合わせて現在は約10種類のホームがありますので、従来とは違いご家族もご本人も、いざ選ぼうと考えたときに迷われると思います。
そこで今回は、湘南エリアに特化した高齢者の住まい選びを無料で行っている「シーガルケア」が、費用が比較的安くて済む公的施設とグループホームの選び方についてお話していきたいと思います。
目次
1: 知っておきたい介護保健施設とグループホーム
介護や高齢者施設は予想以上の費用が必要になることもあります。
そのため、最初は比較的費用が安いところから探して検討し、希望と合わない場合に、少しずつ予算を上げていこうと考えている方もいらっしゃることでしょう。
こういった考え方は無理な予算で検討されるよりも堅実な方法ですから、入居して失敗する可能性もグンと下がってくることでしょう。
このような堅実な考え方のあなたに、まず知っておいていただきたいことは、次にお話する4つの施設が比較的費用も低く、また介護サービスも使いやすい傾向にあるということです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院(介護療養型医療施設)
- 認知症高齢者グループホーム
それではこれらの施設について、詳しく見ていきましょう。
2: 介護が重い方は「特別養護老人ホーム」
■概要
特別養護老人ホームの運営は、社会福祉法人や地方公共団体が主体となって行っています。
介護保険は施設サービスを利用できますし、全国約9600カ所以上の事業所があります。この数字を見ると、ほとんどの自治体にあることになります。
※出典:厚生労働省:参考資料2 参考資料(介護老人福祉施設)「第143回(H29.7.19)」~高齢者向け住まい・施設の件数~
費用も月額約5万円~15万円と高齢者施設の中ではもっとも低い設定になっていますし、費用には
- 居住費
- 食費
- 介護保険自己負担分
が含まれていますので、普段の暮らしはこれでまかなえます。
メリットは、費用が安いこと。そして要介護の等級が高くなっても退去しなくてもよいことでしょう。
ただ、こういった内容のため、すぐに入所したくてもできないのがデメリットです。
緊急度の高い方の場合ですと、すぐに入所できることもありますが、「これから探して~」という場合には、なかなか難しいのが現実です。
■詳しい内容
特別養護老人ホームへの入所には、次のような条件があります。
- 年齢は65歳以上
- 原則として要介護3以上の方
- 身体上または精神上に著しい障害があるため、介護が常に必要な方
- 在宅では安全安心な介護が難しい方
入所に関する難易度は、先ほども出てきましたが緊急度の高い方が優先されるようになっています。
そのため、健康な方が入所することは難しいと言わざるをえません。
3: リハビリ中心の方は「介護老人保健施設」
■概要
介護老人保健施設の運営は、医療法人、社会福祉法人や地方公共団体が主体となって行っています。
介護保険は施設サービスを利用できますし、全国約4200カ所以上の事業所があります。特別養護老人ホームのおよそ半数くらいなので、どの自治体にもあるとは言えません。
※出典:厚生労働省:参考資料2 参考資料(介護老人福祉施設)「第143回(H29.7.19)」~高齢者向け住まい・施設の件数~
費用は月額約6万円~16万円と高齢者施設の中では、特別養護老人ホームの次に低い設定になっています。
費用には
- 居住費
- 食費
- 介護保険自己負担分
が含まれていますので、特別養護老人ホームと同じく普段の暮らしはこれでまかなえます。
メリットは、比較的費用が安いこと。リハビリが手厚いことです。
ただ、介護老人保健施設は「リハビリ」を中心にした施設のため、入所は原則的に短期間(約3ヶ月)となります。
住み替えるというよりは、在宅へ戻るための中間地点とイメージするのが適切でしょう。
人によっては「短期間」というのがデメリットになることもあります。
■詳しい内容
介護老人保健施設は、病気やケガが原因で障害が出た高齢者のための施設です。
入院や治療が継続的に必要な方は、介護老人保健施設を選ぶことはできません。リハビリを行い短期で自宅へ戻ってもらうことが目的の施設なのです。
そのため介護よりも医療関係(リハビリ)のサービスが充実していますし、リハビリの専門家も常駐し指導してもらうことができます。
おおむね1ヶ月~3ヶ月で在宅へ戻ることになりますので、長期の入所は原則できません。
介護老人保健施設へ入所するためには、次のような流れで審査が行われます。
(1)相談
- 病院内のソーシャルワーカー
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 市町村の保険課
こういったところへ相談します。ここがスタート地点です。
(2)施設へ連絡
相談後、施設へ連絡します。
施設の支援相談員が、利用に適しているか調査をします。
かかりつけ医の診断書が必要になることがほとんどです。前もって医師に話をしておくとスムーズです。
施設内で利用可否の会議が行われ、結果の連絡がきます。
(3)利用
利用可の場合は、施設とサービスの契約を行います。
利用不可の場合は、支援相談員と相談し、他のサービスを受けられないか検討しましょう。
(4)入所
入所後3ヶ月ごとに施設内で判定のための会議が開かれます。ここで継続か退所かの判断が出ます。
4: 医療サポートが必要な方は「介護医療院(介護療養型医療施設)」
■概要
介護医療院(2018年4月開設)と介護療養型医療施設(2024年3月に全面廃止)の運営は、医療法人、社会福祉法人や国、地方公共団体が主体となって行っています。
介護保険は施設サービスを利用でき、特別養護老人ホームと比べるとかなり少ないですが全国約1200カ所以上の事業所があります。
※出典:厚生労働省:参考資料2 参考資料(介護老人福祉施設)「第143回(H29.7.19)」~高齢者向け住まい・施設の件数~
費用は月額約7万円~17万円と高齢者施設全体の中では低い方です。
費用には
- 居住費
- 食費
- 介護保険自己負担分
が含まれていますので、特別養護老人ホームと同じく普段の暮らしはこれでまかなえます。
メリットは、医療や介護に重点がおかれていることでしょう。
ただデメリットとしては、介護医療院は「医療ケア」が必要な方しか利用できないことです。
■詳しい内容
介護医療院は、長期の医療ケア(治療など)を必要とする方向けの施設です。
具体的には、次のような疾病が多いです。
- 脳卒中(脳出血や脳梗塞)
- 高血圧
- 心臓病
- 糖尿病
- 呼吸器の病気(肺炎や気管支炎)
- 骨の病気(骨粗鬆症や関節炎)
- 胃腸の病気
- 肝臓の病気
- 胆のうの病気
- 腎臓の病気
- 転倒などによる外傷(骨折など)
- がん
入所条件は要介護1以上で、病気の治療が進み安定期に入った方となります。
他の施設ともっとも違うところは、医療サービスが充実していることでしょう。医師や看護師の人数も多いので、体の機能面から栄養面まで安心して暮らすことができます。
5: 認知症で共同生活が必要な方は「認知症高齢者グループホーム」
■概要
認知症高齢者グループホームの運営は、医療法人、社会福祉法人や民間事業者、NPO法人などが主体となって行っています。
全国約13000カ所以上の事業所があります。今後も増加の傾向が強い施設です。
※出典:厚生労働省:参考資料2 参考資料(介護老人福祉施設)「第143回(H29.7.19)」~高齢者向け住まい・施設の件数~
費用は月額約12万円~18万円と高齢者施設全体の中では中くらいです。
費用には、
- 家賃に相当する居住費
- 管理費
- 食費
- 介護保険自己負担分
が含まれています。
メリットは、地域の住み慣れた場所で暮らせることでしょう。
デメリットとしては、「寝たきり」になると退去の可能性が出てくることです。
■詳しい内容
要支援2以上の「認知症高齢者」の方が、少人数で共同生活する施設です。
認知症の進行を抑えながら、これまでの暮らしに近い環境で生活することを目指しています。
地域密着型サービスのため、住民票のある市区町村の方に限られます。
他の地域から利用することはできないので注意しておきましょう。
認知症の症状が進行し、
- 暴力
- 暴言
- 寝たきり
などによって退去を求められることもあります。
契約する前には、
- 退去の条件
- 入所一時金の返金
- 退去後の受け入れ先
最低でもこの3つはしっかりと確認しておきたいところです。
6: まとめ
4つの高齢者施設についてご紹介しました。
このように、それぞれ入所条件が違いますし、施設の役割も違います。
何がご本人やご家族に必要なのかを明確にして、適した高齢者施設を選んでもらいたいと思います。
「なかなか自分たちのことになると、どうすれば良いのかわからない。」
このように迷っている方は、湘南エリアの高齢者の住まい選びのパートナー「老人ホーム・介護施設紹介プラザ シーガルケア」へ。
ちょっとした心配事も、言いにくいお悩みも、どんなことでもお気軽にご相談ください。
相談から見学、ご入居まで費用は一切かかりません。
相談員が時間をかけて丁寧にお伺いし、一人ひとりに最適なプランを提案します。
ご入居者やご家族みんなが納得して、笑顔で過ごせる住まいをご紹介させていただきます。