家族の介護で負担を感じたときに軽減する方法
在宅介護は毎日続きます。
24時間365日、休めることはほとんどありません。
そのため多くのご家族が介護に疲れているという現状が、テレビや新聞でもたびたび取り上げられていることをあなたもご存じではないでしょうか。
今回は、ご家族の介護で負担を感じ始めたときこそすぐに活用してもらいたい、負担を軽減する方法についてご紹介していきます。
1: ご族の在宅介護で感じる3つの負担
ほとんどの人が前準備もなく、ある日を境にして介護が始まります。
介護のことを知らないまま、心積もりもないまま、目の前に介護という事実が現れ、生活の変化を強いられている。
そんなケースが多いのではないかと思います。
当然ですが、こういったケースですと、何から手をつければいいのかわかりません。
- 普段の暮らしがパニック状態になった
- 仕事に支障が出てきた
- 慣れないことばかりでストレスフルな状態に
そして、介護離職を選ばれる方もいらっしゃいますし、介護うつ、介護放棄、社会からの孤立…そんな状態になってしまう方もゼロではありません。
介護に関する負担は誰にでも起こります。
負担1:身体的負担
介護や介助を行う場合、体を使わないとならないシーンが多くあります。
- 座る
- 寝る向きを変える
- 着替える
- トイレ
- 入浴
どれも腰や膝、腕などに負担がかかります。
また通院の付き添いや軽い運動のための散歩で、体力的に消耗することもあるでしょう。
さらに、疲れた状態でも夜のトイレ介助やおむつ交換は避けられませんので、必要な睡眠がとれないため身体的な負担が増すことになります。
連続した状態で体を使うことはあまりありませんが、1日に何度も小刻みに体力を消耗するために休息できる時間があまりなく、どうしても疲労が蓄積され続けてしまいます。
負担2:精神的負担
介護は人とのやりとりが必要です。
まず最小限のやりとりとして、介護する人とされる人。
少し広げると、介護する人とご家族や親族。
これだけの関係でも協力的でなかったり、自分勝手な言い分ばかり聞かされたりすると、気がめいってしまいます。
近親者であっても、人間関係に疲れてしまいます。
次に市区町村の窓口担当者や介護スタッフとのやりとりがあります。
相性が合わないためにストレスがたまったり、こちらの不満を言い出せない状態にイライラすることもあるでしょう。
ご近所の方との関係でも、世間体を気にしたりして、面倒な気分になるものです。
こういうことから、人間不信になると自分一人で介護しようと抱え込んでしまい、孤独な状態になることもあります。
負担3:経済的負担
介護は介護保険を利用すれば全て賄えるわけではありません。
介護保険の利用には限度額がありますから、場合によっては介護用品や介護食の購入に費用がかかることもあります。
また、身体的負担の原因が、自宅の段差や間取りにある場合なら、リフォームのために費用が必要になることもあり、経済的負担を強く感じることがあるかもしれません。
そして、これがもっとも注意しておきたいことですが、介護離職すると定期的な収入がなくなります。
これまでの貯蓄や年金に頼った暮らしになってしまうため、お金が増えるイメージを持てなくなり経済的な不安を抱えることにもなりかねません。
2: 負担が限界になるとこんなトラブルも
こういった負担が積もりつもって限界になると、次のようなトラブルが起こってしまう可能性が出てきます。
- 暴力
- 介護放棄
- 将来への悲観から「うつ」状態に
また、介護にまつわるニュースで目にすることが増えた命に関わることもあります。
こういったトラブルは特別な人だけに起きるのではありません。
介護を行う人なら誰にでも起こりえることなのです。
ただ本人も気づかないうちに、先ほどの3つの負担がゆっくりとのし掛かってくるため、「自分は大丈夫」と思っているだけということもあるのです。
3: 介護の負担を軽減する方法
(1)介護サービスの利用
第一に知っておきたい方法は、介護を自分一人で抱え込まないために、介護サービスを利用することです。
そのため介護が必要になったときには、必ず市区町村の窓口で「介護保険」の申請を行いましょう。
市区町村の窓口ではよくわからないという場合は、お住まいの近くにある「地域包括支援センター」へ相談することをおすすめします。
介護サービスには、自宅へ訪問して介護の手伝いをしてもらえる「訪問介護サービス」がありますから、通院の付き添いや、介護対象者の身の回りの世話、夜間のトイレ介助やおむつ交換などをお願いすることもできます。
こういったサービスがあるからといって、あなたの負担が全部なくなるわけではありませんが、少しはゆっくりと体を休める時間ができます。
また、「通所介護サービス(デイサービス)」は、施設に通って
- 食事
- 入浴
- 機能訓練
- 口腔機能向上サービス
などを日帰りで受けることができますので、介護する人が自分のために使える時間を手に入れることができます。
こういったサービスの利用により気持ちをリフレッシュすることで、介護で感じる負担を少しでも軽くしてもらいたいと思います。
(2)介護の専門家に相談
介護に関する話は、親族や家族ではなく専門家に相談しましょう。
というのも親族や家族の場合、どうしても自分たち個人的な気持ちが前に出てしまい、冷静に相談しにくくなるケースが多いためです。
そこで介護する人は、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談するのがよいでしょう。
また、お住まいの近くにある「介護家族の会」などに参加して、同じ悩みを抱える方へ相談したり、不安や不満を言ったりするのも賢明かと思います。
(3)介護のオン・オフ
冒頭にもお話しましたが、介護は24時間365日続きます。
そこで次の考え方を理解してもらいたいのです。
- 完璧な介護を目指さない
- 自分の生活を介護で100%にしない
家族の介護は大切なことですが、あなたの人生も大切です。
介護サービスを利用して、あなたの人生を生きる時間を見つけてください。
4: 介護施設という選択肢も考慮しよう
介護を続けると、どうがんばっても自分たちだけでは無理な状態が出てきます。
そういった場合には、今まで十分に介護をしてきたご自身を褒めてください。
そして、介護する人もされる人も、安全安心に暮らすため「介護施設」への入居を選択肢に入れ検討していただきたいのです。
施設への入居は介護放棄ではありません。
「もうどうしようもない」という状態になってからではなく、まだ余裕のあるときに施設を検討してもらえるのがベストだと言えます。
5: まとめ
在宅での家族の介護は、思っている以上に負担がかかります。
その結果、目を覆いたくなるような事件も起こっているのが現状です。
あなたには、そんなことになる前に介護の負担を解消してもらいたいのです。
介護の方法に正解も間違いもありません。
強いて間違いを言うとすると、介護する人される人、どちらかの人生を犠牲にすることではないでしょうか。
ご自身を追い込まないでください。
あなたの人生を生きることは間違っていませんし、何かを捨てていることでもありません。
今回の内容を参考にしていただき、少しでも介護の負担を解消するきっかけになりましたら幸いです。
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