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認知症の家族を施設に入れるタイミングと選び方

 
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いつまでも親の健康と長生きを願っていても、

避けることのできないもののひとつに「認知症」があります。

もしあなたのご両親が認知症になり、在宅介護では難しい状況になったり

施設入居を検討し始めたときにあなたがすべきことは何でしょう。

今はまだそのような状況ではないかもしれませんが、

事前に知識や準備があれば、いざというときの備えになります。

認知症の方が安心して暮らせる施設の選び方について一緒に考えてみましょう。

 

1:どんどん高まる高齢化と認知症

介護老人保健施設やグループホームの選び方

厚生労働省が発表している平成30年の簡易生命表によると、

日本の平均寿命は、男性81.25 年、女性87.32 年。

それに伴って人口に占める65歳以上の割合も増し、

また認知症を発症する人も増加しています。

2012 年には 462 万人で、65 歳以上の高齢者の7人に1人でしたが、

予測推移では2025 年には約 700 万人で5人に1人に。

神奈川県内を見てみると約 45 万人の認知症患者が見込まれています。

※出典:65 歳以上の認知症患者数と有病率の将来推計

 

2:認知症の親を施設に入居させるタイミング

認知症の症状と段階から見た安心できる高齢者施設とは?

前日の晩御飯をすぐ答えられなかったり、昔のテレビ番組の名前が喉元まで出かかっているのに思い出せない…

 

あなたにもそんなことはありませんか?

 

それを考えると、親世代が「同じ話を何度もするようになった」「約束を忘れている」というくらいのことなら、年のせいかな…程度で済ましてしまうことでしょう。

 

ところが、「出先で自宅がわからなくなって帰れなくなった」「キッチンの火を消し忘れるようになった」など…

もしかしたら命に関わるかもしれないトラブルにつながる可能性が起き始めたらどうでしょう。

 

1人にしておくのが不安になりますよね。

 

仕事をしていたり、遠方に住んでいて日中の様子をいつも把握できないなら、なおさらです。

このようなタイミングで施設入居を考え始める人も多いでしょう。

 

先日、お母さまの施設入居のご相談にいらした娘さんは、

「いつも作ってくれているお弁当に、たびたび痛んだ野菜が入るようになった…」

「字を書くのが得意な母が、カレンダーに漢字ではなくひらがなばかり書くようになってきた…」

この2つをきっかけに、施設入居を考え始めたとおっしゃっていました。

 

3:認知症の親が入居できる施設には何があるの?

◇認知症の有無に関わらず入居できる施設◇

 

 

 住宅型有料老人ホーム

 介護付き有料老人ホーム

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

 

 

これらの有料老人ホームは、おおむね65歳以上の入居条件のほかに

介護度や認知症の重さなど面談によって受け入れが異なります。

近隣や交通の便がよいなど、気になる施設がある場合は、

まずは現在の状況を話して、受け入れ可能かどうかを確認するとよいでしょう。

 

自立した生活を送れる人や、要介護度の比較的低い入居者を優先的入居させている施設もあり、

認知症の場合も程度が重くなると退去を余儀なくされるケースもあるので、

入居前にしっかり把握しておきましょう。

 

◇認知症の人だけが入居できる「グループホーム」◇

 

「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」は、認知症の人だけが入居できる小規模施設です。

一つの施設は、9人までの入居者で1ユニット(生活単位)となっていて、最大2ユニットが上限。

 

アットホームな雰囲気の住環境で入居者が協力して共同生活を行い、

食事や入浴などの介助や機能訓練、レクリエーションを受けることができます。

 

4:グループホームの入居条件とは

それでは、グループホームの入居条件を見てみましょう。

 

 要支援2または要介護認定にある認知症の方

 グループホームの所在地に住民票のある方

 

グループホームは、「地域密着型サービス」とよばれる介護保険サービスのひとつで、住み慣れた自宅や地域で生活を送ることができるように、自治体に住民票のある人だけが入居することができます。

 

同居しているご両親なら、自宅の近隣のグループホームを探せばよいですが、

遠方に住んでいる場合、どちらの自治体のグループホームに入るべきか?ということから考え始めなければなりません。

また、親を呼び寄せることになった場合に、住民票を移してから一定期間が必要という自治体もあるので、ある程度余裕をもって行動することが必要になります。

 

5:グループホームのメリットとデメリット

【メリット】

 認知症ケアの知識と経験が豊富なスタッフが多い

 少人数なので、アットホームな空間で生活できる

 長年お住まいの地域に入居の場合、環境変化によるストレスが小さい

 家事全般を基本的に自分で行うので認知症の進行を和らげることにつながる

 

【デメリット】

 看護師の配置義務がなく、医療ケアに特化していない

 少人数なので、入居者同士の相性が重要になる

 定員が少ないため満室多く、即入居が難しい

 ある程度の自立が条件なので、要介護度が上がると退居となるケースもある

 

上記のように、少人数の良さもある反面、それがデメリットになる可能性もあります。

何を優先してどんなサービスを受けたいのか、を明確にしてから施設を選んで見学することが大切です。

 

6:まとめ

 

ご家族が認知症になったときに入居できる高齢者施設についてお話してきました。

 

認知症になると、新しいことや複雑な動作に障害が出ても、今まで当たり前のように行っていた動作や習慣は介助があればできることも多いといいます。

そういった特性を活かし、入居者同士がゆっくりマイペースに行いながら暮らしていくのが「グループホーム」です。

入居される方、ご家族にとって何がベストかを考えて施設を選んでいただければと思います。

 

【関連記事】

「認知症の介護で家族に限界がくるまでに知っておくことは」

 

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